平等なナースコール

 私は入院してからずっと、ナースコールを押すのに相当の覚悟が必要だと思っていました。そして、私の怪我は生死に関わるようなものではなかったので、きっとナースコールは押してはいけないのだとも思っていました。
 もっと辛い症状の人が押すもので、そうでないと病院の方に迷惑がかかると思っていたのです。

 しかし、ある時余りにも痛みが酷くて思わずナースコールを押してしまいました。処置を受けながら泣いて謝る私に、看護師の方が「ナースコールは入院されている方に平等に与えられた権利なんですよ。生死に関わるかは関係ありません、辛い時はいつでも押してください」と言ってくれました。

 それ以来、私は辛くなると不安なくナースコールを押せるようになりました。勿論、無為に押すようなことはしませんが、ナースコールは平等という言葉は退院した今でも私の心に残っています。